Medical treatment

/ 痔瘻

男性に多い痔です。まず肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)ができてから痔瘻へと進んでいきます。

痔瘻ができるまで

歯状線のくぼみ(肛門陰窩〈こうもんいんか〉)から細菌が入り込むと、肛門腺が化膿し、その炎症が肛門周囲に広がって膿(うみ)がたまります(肛門周囲膿瘍)。これが自然に破れるか切開することにより、膿が排泄されます。そのまま治る場合もありますが、多くは膿の管(瘻管〈ろうかん〉)が残った状態となり、これを「痔瘻」といいます。

症状

肛門周囲膿瘍の場合、38~39°Cの発熱、激しい痛み、腫(は)れがみられます。痔瘻は、膿が出て下着が汚れます。膿の出口(二次口)がふさがり、再び膿がたまると肛門周囲膿瘍と同様の症状になります。

これが肛門周囲膿瘍から痔瘻への発症過程です。 痔瘻になると腫脹 排膿を繰り返す方が多いのですが 中には 無症状の人もいます。 慢性の痔瘻はときに痔瘻癌を発症すると言われますが発症頻度は不明です。

痔瘻(痔ろう)の治療

膿が溜まった肛門周囲膿瘍の症状が現れたら、一刻も早く皮膚を切開し、溜まった膿を出す「切開排膿」を行います。

肛門周囲の皮膚、あるいは直腸肛門内の粘膜に切開を加え、溜まった膿を外に排出し、十分に膿の出口を作った後、抗生物質や鎮痛剤を投与します。瘻管が残り痔瘻になった場合は、根治手術を行います。手術を必要とするのは、痔瘻の患者さんの約4割程度です。場合によっては、肛門周囲膿瘍の段階で痔瘻の根治手術を行うこともあります。

手術療法

切開開放術

痔瘻は、痔瘻の入り口(原発口)と内括約筋と外括約筋の間にできる膿の元(原発巣)と、そこから枝のように出ている瘻管(膿の管)、膿の出口によって形成されています。切開開放手術では、この瘻管を切り開いて膿の入り口から出口まですべて切除します。そして下から肉を自然に盛り上げていきます。

しかし、この手術方法では、瘻管の走る位置や深さによっては、括約筋が大きく傷つき、手術後痔瘻は治っても、肛門の締まりが悪く 肛門がいびつになってしまうことも、まれにあります。

瘻管を切開してそのまま縫合せずに開放する手術で、LAYOPEN法ともいいます。肛門後方部であれば、括約筋を切除しても肛門の機能には影響しません。再発がほとんど見られない手術です。

括約筋温存手術

痔瘻のタイプによっては、「括約筋温存手術」を行います。この手術は、括約筋の損失を最小限にするために瘻管をくりぬいていき、膿の入り口や膿の元、出口部分だけを切除し、患部を取った傷口は、手術後溶けてしまう特殊な糸で縫うという方法です。 くりぬき法といって、瘻管だけをくりぬく方法で入院が必要となります。

括約筋温存手術は、括約筋への影響が少なく、手術後の肛門の機能障害も少なくてすむため、瘻管が深い位置を走るような複雑なタイプの痔瘻には効果的な手術方法です。また、瘻管が浅い位置であっても、肛門の側方や前方を走っている場合、切開開放手術では術後、肛門의変形が強く残るので、括約筋温存手術が行われます。 ただ、どうしても括約筋温存術式の場合、手術はしっかりとおこなわれても、便の通り道の手術であるため、傷口を縫った部分が開いてしまってしまい、治るのが100%ということはなく、いくらかは再発してしまいます。

その他の処置

シートン法

瘻管の原発口から二次口へゴム糸を通して縛り、徐々に瘻管を切開して開放する方法です。肛門の変形が少なくてすみます。ゴム糸を通すのには外来で行う場合と入院が必要な場合とがありますが、いずれにせよ、ゴム糸の締め直し、入れ替えなど、治るまで長期の外来通院が必要となります。

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